月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

 
いまだ大手マスコミや、立憲民主党など野党までスルーし続ける「#ケチって火炎瓶」事件。1999年の下関市長選で、安倍晋三議員(当時)の秘書が建設会社社長に選挙妨害を依頼、“見返り”を求めた実行側と安倍事務所側の交渉が決裂した結果、暴力団関係者によって火炎瓶が投げられるという、とんでもない事態に発展しています。逮捕・収監されていた建設会社社長が今年2月に出所したことにより事件に火が点き、事件を長らく取材してきたジャーナリストの寺澤有氏、山岡俊介氏、そして彼らを支える読者によって、いよいよ“炎上”の時が近づいているようです。事件の真相と今後の展開について、本誌でレポートしています。この事件にせよ、「もり・かけ」にせよ、一国の首相について生々しいスキャンダルが次々と出るのが今の政権です。これが安倍首相だからなのか、そもそも日本の戦後のほとんどの時代に政権を握ってきた自民党の体質なのか、それとも日本の政治そのものが、こういうものなのか。疑惑の全容を明らかにすることは、日本の政治そのものに対して求められていることだといえます。
 
9月30日に投開票され、翁長雄志知事の後を継いだ玉城デニー氏が勝利した沖縄県知事選。今回も辺野古基地建設問題の“争点隠し”ととともに、デマともいえる内容を含んだ“買収選挙”という、自公の定番となった選挙手法がみられました。さらに、自公および維新・希望の推薦候補だった佐喜真淳氏に、「日本会議」をめぐって公職選挙法違反の疑いまで浮上しています。今回こそ玉城氏の前に、自公側は惨敗に終わりましたが、その手法は今後も継続されるものと思われます。選挙の舞台裏とともに、分析をお届けします。
 
この沖縄県知事選に先駆けて行なわれた自民党総裁選は、予想通り、というより予定通りの安倍首相が勝利、負けた石破茂元幹事長が“善戦”したかどうかなどが選挙後の話題となりましたが、結果自体に注目した人は少なかったのではと思います。ただ、投票率の低下には注目すべきかもしれません。今回の党員の投票率は61.74%(全国)。わざわざ党費を払って党員になっているのに投票しなかった人が4割近くいるうえ、安倍首相の得票率55%は全党員の3割。「もり・かけ」疑惑への首相の対応が原因のひとつであることは言うまでもないでしょう。そしたなかで、争点となったのは経済ですが、それについても安倍首相が強調した「成果」には、カラクリが垣間見えました。
 
そして、見据えるべきは来年夏の参院選で、安倍自民“大惨敗”が予測されています。もちろん、これで安倍政権に疑問をもつ人々が安心できるというわけではありません。ただし、データや要因は、いずれもうなずけるものばかりです。また、今月号ではマスコミ企業における障がい者雇用の現状についても調査しました。中央省庁などで「水増し」が発覚したことを受けて、それを報じるマスコミはどうか、というのが企画のきっかけでしたが、意外な結果となっています。今月号もぜひご一読ください

 

「紙の爆弾」編集長 中川志大